デイサービスで提供する食事を給食業者に委託するメリット・デメリット!

公開日:2022/05/15   最終更新日:2022/05/24

利用者の日中生活をサポートするのがデイサービスの役割です。デイサービスでは施設内で食事をする機会があるので、給食業者への委託か自前調理をすることが必要となります。今回はデイサービスの給食について、業者委託のメリット・デメリットや業者を選ぶ際のポイントなどをご紹介します。

デイサービスで提供する食事を自前調理するメリット・デメリット

給食業者に委託せず自前調理で給食を提供する場合、利用者との距離が近いことによるメリットや、作業工程におけるデメリットがあります。

■メリット:利用者に合わせた食事内容を提供できる

デイサービスを利用できる方は要介護1以上の方と決められていますが、施設によって利用者の要介護度にばらつきがあるのが実情です。同じ要介護度でも、生活の中でできることに差があるでしょう。

もちろん食事に関しても同様で、食べられるものと食べられないものなど、個人の嚥下機能や身体機能に配慮して提供しなくてはなりません。デイサービス内で給食を自前調理する際は、そうした利用者の個別性に合わせたメニューを考案・提供することが可能です。

また利用者の要介護度が変わったり、体調が悪化して予定されていた食事がとれなくなったりすることもあるでしょう。自前調理であれば急な現場の動きに合わせて臨機応変に対応できるというのもメリットです。

■デメリット:衛生管理に手間がかかる

デイサービスなどの介護施設や病院などの医療施設は、常に感染症のリスクと隣り合わせです。とくに食事の提供に関しては最新の注意を払って準備、配膳、片付けを行う必要があります。自前調理する際は定められた基準に従って調理を行うことになりますが、調理作業と合わせて衛生面の管理を行うのは大変な手間です。

デイサービスで提供する食事を給食業者に委託するメリット・デメリット

自前調理でも提供が可能なデイサービスの給食ですが、給食業者に委託するとどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

■メリット:給食担当のスタッフを雇わずに済む

デイサービスで給食を自前調理することになると、必ず調理担当のスタッフを雇わなければなりません。近年は介護士の給料が低すぎることが話題となっていますが、デイサービスなど介護施設で働く調理スタッフの給料は比較的安定しています。手当などの待遇がよいケースも多く、調理スタッフを雇うことで介護士を雇うよりも人件費がかかってしまうという場合もあるでしょう。

デイサービスも営業利益をあげることで経営が成り立っているため、少しでも雇うスタッフが減らせるに越したことはありません。給食業者に委託すればデイサービス内で調理を行う必要がなくなるので、経営にもプラスに働くでしょう。

■メリット:味や食事形態が一貫している

決められた味付けはもちろん食事の柔らかさや大きさなど、作業工程が一貫しているため提供される食事もばらつきがありません。自前調理だと人によって匙加減が異なるので、微妙な差が生まれてしまいます。

常に同じ品質の食事が提供できるというのは、デイサービスのスタッフにとってだけでなく利用者や利用者の家族にとっても安心です。

■デメリット:現場の声をすぐにメニューに反映できない

給食業者の中にはデイサービスなど介護施設への給食提供を専門にしているところもあります。事前に食事形態やメニュー内容などを相談して、しっかりと給食に反映してくれるという個別性の高さはとても魅力的です。

しかし一方で、現場の変化に対応するスピード感は自前調理に劣ってしまいます。もちろん要望に合わせてメニューの変更はできるはずですが、パッキングや配達などの関係上、今日や明日の変更というわけにはいかないでしょう。

給食委託会社を選ぶ際にチェックするべきポイント

デイサービスで専門業者に給食を委託する場合、要望への対応力や費用面に気を配った会社選びが重要となります。

■施設に合わせたメニューに対応しているか

給食委託会社の中には、メニューの内容から食事形態まで幅広い要望に細かく対応しているところもあります。細かな打ち合わせを事前に行って施設に合った給食にカスタマイズしてくれるかどうかは、非常に重要なポイントです。

また施設の利用者の要介護度は一定ではなく、時間と共に悪化してしまう場合もあります。施設利用者の状態に合わせて適宜メニューの変更に対応してくれるかどうかもしっかり確認しておきましょう。とくにデイサービスや病院など、介護・医療施設への給食提供に力を入れている業者を探すとよいかもしれません。

■価格と商品の質が見合っているか

給食の量や質がよくても、委託費用があまりに高額ではデイサービスの経営にも影響してしまいます。コストパフォーマンスのよい会社を探して、食事の質にも料金にも妥協しないようにしましょう。

あまりにも安すぎる場合は、栄養バランスやその他のサービスが不足している可能性もあるので、デイサービスという介護を行う場には不向きです。提供したい食事についてしっかりと具体的なイメージを持ち、予算内で対応してくれるかどうかを相談してみるのもよいでしょう。

 

デイサービスで給食を提供する際は、自前調理か給食業者委託という2つの選択肢があります。自前調理ではより現場の声を反映した食事提供が可能となり、委託ではコスト削減や食事の質の担保につながるというメリットがあります。提供したいメニュー内容を叶えてくれたり、利用しやすい価格であったりといった特徴を持つ専門業者を選びましょう。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

社員食堂といえば、企業が社員達を対象とした食堂や設備のことを指し、自社運営で食事を賄っているイメージがあると思います。しかし現在、実際には多くの会社が社員食堂を外部委託しています。今回は社員

続きを読む

給食業務の直営とは、スタッフを施設内で採用し、給食室などの調理スペースで給食の業務を提供することを指します。そして委託とは、自施設内ではなく、すべてまたは一部を専門の委託会社にまかせることを

続きを読む

懐かしさを感じる給食ですが、検食というものを実施して食の安全性、子どもたちの心身の健康を守っています。皆さんは「検食」をご存じでしょうか?検食は食品製造業に関わる施設では、必ず実施しなければ

続きを読む

食物アレルギーは家庭での食事はもちろん、保育園や学校給食などでもアレルギー対応が必要です。給食サービスではアレルギー対応の除去食や代替食を基本とし、子どもたちが安心しておいしく食べられるよう

続きを読む

現代においてオーガニックとは身体によいものという認識があります。しかし、もっと詳しく教えてほしいといわれると途端に困ってしまいます。ましてや、オーガニック給食すら聞いたことがない人の割合の方

続きを読む

各種ニュースで定期的に取り上げられているのが「食品ロス」です。社会問題化しており、問題の解決に多くの企業や個人が興味を持っていますが、なかなかうまくいっていないのが現実。そこで当記事では、食

続きを読む

高齢者の食事は繊細であり、栄養バランスはもちろん噛む力等も考慮しなければなりません。とくに介護食には細かな基準があり、それらを一つずつ解決していく必要があります。また人それぞれさまざまな病気

続きを読む

給食サービスの現場は過酷なものといわれています。人材不足しているのはもちろんですが、勤続年数が長い厨房の調理師やパートの力が強いなど、人間関係で問題が発生することも少なくありません。とくに直

続きを読む

学生から社会人まで、寮は幅広い年代や立場の方が利用する場所です。そんな寮に給食の専門業者を導入して、給食サービスを委託するケースが増えてきました。本記事では、寮に住む人、管理する人、それぞれ

続きを読む

最近耳にする機会の増えた“食育”という言葉をご存じでしょうか?昨今、食育というものは教育から始まり、私たちの普段の生活の中でも大きな役割を担っています。近年では義務教育で食育を取り入れている

続きを読む