給食委託サービスを導入するまでの流れをステップごとに詳しく解説

公開日:2023/08/15   最終更新日:2023/06/05

学校や老人ホーム、病院、企業の社員食堂など、団体生活の場で提供される給食は、栄養補給以外にもコミュニケーションの機会や、食事そのものを味わう楽しみがあります。しかし近年では、人手不足で給食を自施設で用意することが難しいケースも増えています。今回解説するのは、そんなケースに活用できる、便利な給食委託サービスの導入方法です。

必要な食数や食事内容、調理方式を事前に把握しておく

食事は、人間が生きていくためには欠かせないものです。乳幼児にとっては食への関心を高めるとともに健康な身体を育んでいくため、病気や怪我で休息が必要な人にとっては不足した栄養を摂取し回復するため、それぞれ重要なウェイトを占めてします。

食事のもつ重要な役割は誰もが認めるところですが、毎日栄養バランスやメニューの多様性に配慮することは難しいものです。とくに、学校や病院などの施設は、一度に多くの食事を提供しなければならない傾向が強くあります。そんな場合におすすめなのが、給食委託サービスです。

給食委託サービスの特徴やメリットとは?

給食委託サービスを利用するメリットはたくさんあります。食品衛生や栄養バランスに関する専門知識と経験を持ったプロフェッショナルが手掛けているため品質と安全性が確保されており、経済的効率性があること、献立に多様性やバリエーションがあることといったクオリティの向上だけでなく、学校や施設側の給食管理業務が簡素化されることも魅力です。

専門知識と経験を持つプロフェッショナルによる給食提供は、児童や患者の健康や栄養状態の改善につながる可能性もあり、教育環境の一環や身体機能改善の視点でも重要です。

また、給食委託サービスを上手に活用することで、利用者の食事状況や好みについて情報共有し、健康な食生活の習慣形成を支援する役割も果たせます。

給食委託サービスの導入を検討する際は、まず必要な食数や食事内容、調理方式を事前に明らかにしておくことが大切です。

たとえば、保育園で給食委託サービスを検討する場合は、食育に理解のある業者を選ぶことが求められます。子どもが好むような料理や盛り付けといった配慮がされていれば、食事時間を前向きに楽しむ姿勢を育めるうえ、成長に必要な栄養素が押さえられていれば、健やかな成長をサポートできます。

また、アレルギーのある子がいる場合は、アレルギー対応が重要です。たとえば、献立にアレルゲン表示があること、アレルゲンの除去・食材の代替対応、調理器具や食器の使い分け、誤配防止対策などを確認することが大切です。

食物アレルギーのアナフィラキシーショックで子供が亡くなった事例もあり、慎重な対応が求められます。また、代替食があからさまに異なる見た目だと、「自分だけ違う」と疎外感を覚えてしまうことがあるため、色・見た目が同じように配慮されているかも確認するようにしましょう。

同様に老人ホームの場合は、食べやすさや消化しやすさへの配慮、ミキサー食や刻み食など特別な介護食への対応、彩りが豊かで見た目で楽しめるバラエティ豊かさなどが求められます。もちろん、子ども用の食事同様にアレルギーへの配慮も大切です。

給食委託サービス専門業者への見積もり依頼

ここまで読んでいただければ、給食委託サービスの魅力が一層気になったのではないでしょうか。ここからは、給食委託サービスへの見積の流れを紹介します。

気になる業者へ問い合わせる

必要な食数や食事内容、調理方式などについて事前に確認できたら、気になる給食委託業者に問い合わせします。Web上に設置された問い合わせフォームや電話などで連絡をいれ、自施設の現在の給食状況、希望する給食サービスなどを説明しましょう。

給食状況については、食数・献立内容・利用者のアレルギー対応・衛生管理・調理職員の人員などを伝えます。希望する食材と予算のバランスなどを明らかにしておくことと、問い合わせ先の業者のアレルギー対応や衛生管理、対応可能な調理方法などを確認しましょう。

要望や生活環境に寄り添っている業者を選ぶ

相談内容をもとに見積もり作成してもらい、どの業者からの提案が自施設の要望に最も寄り添えているか、内容と価格が見合っているかなどを比較します。試食可能な業者の場合は必ず味を見て、利用者が満足できるかどうかをジャッジすることも大切です。

料理の味付けや提供温度が適切でない場合、利用者からのクレームにつながってしまいます。自分の舌で料理を確かめ、納得できないようであれば、いくら価格が安くても導入はおすすめできません。

給食委託サービス業者を選ぶうえで注意点

業者探しは一社にしぼりこまず、複数の候補を挙げて、比較することが大切です。初めて給食委託サービスを利用する場合は、相場がわからないため、複数の業者に問い合わせることで適正価格を把握しやすくなります。

サービス導入準備~提供開始

サービス内容と価格に満足できたら、契約を結んで、サービス導入となります。契約を結んだら、即給食提供開始というわけではないので、注意が必要です。

給食開始まで3~6カ月程度の準備期間を見込んでおかねばなりません。業者によって準備内容は異なりますが、基本的にはスタッフ採用・研修・食器や厨房機器選定・アレルギー面談などを経て、スムーズに給食できるための体制をととのえます。

自施設内に調理設備を新設する際には準備期間も長くなります。導入準備が整ったら、給食提供が開始されます。提供開始後に委託会社の職員や栄養士が巡回指導をおこなう「アフターフォロー」の万全な業者を選ぶことも大切です。

まとめ

給食委託は、人手不足などの理由から自施設では給食提供が難しいケースに重宝するサービスです。導入により衛生的で栄養バランスのとれたバラエティ豊かな食事を利用者に提供できます。

サービス導入時は必要な食数や食事内容、調理方式を事前に把握し、複数の業者から見積もりをとって、自施設の要望に最も寄り添った業者を選択することをおすすめします。

業者を選択する際には試食して、味のレベルを確認することも大切です。給食開始までスタッフ採用や研修、厨房整備などで3~6カ月程度の準備期間がかかります。

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