オーガニック給食って何?導入のメリットは?
現代においてオーガニックとは身体によいものという認識があります。しかし、もっと詳しく教えてほしいといわれると途端に困ってしまいます。ましてや、オーガニック給食すら聞いたことがない人の割合の方が多いでしょう。今回はオーガニック給食の意味と導入するメリット、今後の日本においてのオーガニックの広がりを解説します。
オーガニック給食とは?
そもそもオーガニックとは「有機」という意味があり、農薬や化学肥料、遺伝子操作に頼ることなく農林水産業を加工することをさします。2000年に施行されたJAS法では、有機農産物と有機畜産物、有機加工食品を「オーガニック」として表示する場合には生産者と加工業者は、登録認証機関の検査と認証を受け、有機JASマークを付けるのが義務付けられています。
この法律が施行される以前オーガニックは自主的に名乗ることができたのです。このままでは市場が混乱してしまいるため、国際的にコーデックス規格が発行され、この規格に基づきJAS法が義務付けられた過去があります。現在のオーガニック食材は環境にも配慮した加工品となり、オーガニック給食として子どもの心身を支える上で欠かせない栄養食の1つになったのです。
学校給食は当たり前に存在していますが、学校給食法として法律できちんと制定されています。文部科学省が唱える学校給食法には、給食は学習の一環であり、食に対する知識、正しい食生活を身につけられるよう学校で食育を教えられるように取り組んでいるとされています。オーガニック給食とは旬な野菜や地産地消にこだわり、子どもに安心安全な食を提供できるように取り組むことなのです。
しかしオーガニックに対する捉え方は全員一致するとは限りません。完全無垢な食品だと思う方、無農薬栽培は危険なものだと捉える方、そもそもオーガニックの意味すら理解していない方が多いでしょう。ただ与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、きちんと情報を整理する必要性も持ちえた方がいいです。
ただJAS認定された野菜とそうではない野菜では子どもたちに与える健康と安全性が違い、オーガニック認定を受けた給食が広がるようになると農家の収入が増えて事業も安定し、無農薬を使わない旗艦が長ければ長いほど環境もよくなるといわれています。
オーガニック給食を導入するメリット
オーガニック給食を導入することは1日に何千万食を提供する給食の見直しを図るという目的があります。そしてオーガニック給食を導入するメリットは地域経済の活性化、食育の環境を促進し、子どもの心身の成長を手助けし、環境保全にもつながることです。
オーガニックは無農薬栽培なので、虫もつきやすく、排除するにも農薬は使わないので手作業が多くなりコストも増えます。コストが増えると人の手も多く必要になり、さらには機械を導入しなければいけません。そのため地域の雇用が促進され、地域で食品を消化する地産地消が活性化して地域が盛り上がります。
ようするに、地域全体で1つの会社経営を行い、経済を循環させながら子どもの未来と人の雇用を支える関係を目指せることをさします。また有機栽培や有機農業に土は欠かせません。土の中に有機質の堆肥が増えれば美味しい野菜も作れ、地球環境的にも優しいとされています。もちろん虫が苦手な人も多いでしょうが、葉っぱに虫がつくのは当たり前の姿ですし、自然環境をなくして生きられない人の本来の姿でもあります。
オーガニック給食は日本でも広がりつつある
日本でもオーガニック給食は広がりを見せており、地域によって進み具合も異なります。地域別にまとめてみましょう。関東地方では千葉県いすみ市が小中学校すべてで100%有機米を使用しており、全国で初となる試みを成功させました。
東京都武蔵野市の小学校では安全給食という名前で有機栽培活動をしており有機米や無農薬米の導入、パンや麺、野菜の国産の使用をしています。四国地方の高知県四万十市では有機栽培の食材を取り入れており、小学校で米の100%有機米、野菜の30%が市内産の無農薬、減農薬農産物になっているとのことです。中部地方では愛知県今治市が遺伝子食品を使用しないという取り組みを掲げ、地元の食材を優先的に使用した地産地消が盛んです。
日本でもさまざまな場所でオーガニックが見直され、地域によっては学校と連携できる体制を整えている場所もあります。食の安全性の向上とオーガニック給食の可能性を感じますね。またJAS認定が施行されたのが2000年ですので、現在で20年ちょっととなります。まだまだ農家の方の手続きが進んでいない現状も踏まえるとオーガニックの広がりを感じ、栄養価など情報が不足している部分もデータが蓄積され、メリットの向上が期待できます。
まとめ
いかがでしたか?オーガニック給食の広がりは今後も拡大していくでしょう。しかし課題も多く存在します。食べ残しなどの食品ロス、給食費の値上がり、アレルギー対応食の実施など問題解決まで時間を有するものもあります。1人の意識を変え、国を動かし日本全国にオーガニック給食が導入できれば子どもの未来を明るくできます。