委託給食の種類とは?それぞれの特徴と選び方のポイントを解説!

公開日:2023/06/15   最終更新日:2023/05/23

委託給食の種類

幼稚園や保育園、ほかにも高齢者の介護施設や福祉施設などで利用される機会が多いのが委託給食です。委託給食と一言でいっても、種類は幾つもあります。そこでこの記事では、委託給食の種類ごとの特徴や給食委託サービスの選び方のポイントをわかりやすく解説します。委託給食を検討している施設の経営者の方は、ぜひ読んでみてください。

そもそも「委託給食」とは?

委託給食とは、委託給食会社による給食の委託サービスです。

委託給食会社は直営に代わって、衛生管理や事務仕事、そして献立作成・検品・発注・調理・配膳などを実施します。

保育園や学校だけではなく、会社の社員食堂であったり病院であったりなど、幅広い場所で活躍しています。産婦人科の出産後の特別職であったり、アスリートの食事管理であったりなど、特別な食事にも対応しているところもあり、現在大きな注目を集めています。

直営の問題点

委託給食が選ばれる理由として、直営のいくつかの問題点があります。直営で食事を提供していると、急な退職があるかもしれません。

そうなると、ほかの職員の負担が増えてしまいます。また、栄養管理などの決まりが古いままのことも少なくありません。施設側にとっても大きな負担となり、食事の提供が難しくなって委託給食に切り替えるケースが増えてきているのです。

結果的に低価格で済む

直営と委託給食を比較すると、コスト的に委託給食のほうが安く済むことがほとんどです。

直営の場合、職員に対する福利厚生なども負担になります。また、食材費なども変動するため、確実に利益をあげられるかというと難しいところです。

その点、委託給食であれば職員を自分たちで雇うわけではないので、福利厚生を気にする必要はありません。食材を仕入れることもないので、市場価格を気にする必要もなくなります。

委託給食の種類ごとの特徴

委託給食には3つの種類があり、それぞれに特徴があります。したがって、それぞれを把握したうえで、施設ごとに適切なものを選んでいく必要があるのです。

冷凍

コスト面を重視している施設に適しているのが、こちらの冷凍です。

クイックフリーズ製法とも呼ばれており、マイナス18度以下で保存するため食材によっては長期間の保存が可能になります。食品の備蓄もしやすく、食品ロス対策にもなるため近年注目されています。

しかし、長期間冷凍することで組織破壊が起こりやすく、素材の味および食感が失われるリスクもあります。また、委託給食会社よりまとめて発送されることになるため、保管場所の確保も必要不可欠です。施設側としては、大きな冷凍庫が必要になるわけです。

クックチル

クックチルとは、加熱調理した食材を短時間で冷却したもので、冷凍ではなくチルドの状態で保存する調理システムです。

チルドを採用しているため、前述した冷凍と比較すると食材の旨味および手作り感も楽しめます。また、調理した料理は3度以下まで急速冷凍するので、最近の繁殖も抑えられます。

つまり、安全性も問題のないのがクックチルなのです。クックチルを利用すると、チルド保存された料理がそのまま届けられます。

あとは、施設のスタッフが電子レンジなどを使って加熱し、盛り付けをするだけです。配膳自体は誰でも簡単にできるため、調理師を雇う必要はありません。クックチルを利用すれば、作業の効率化および人件費の削減などのメリットが得られるわけです。

完全委託給食

調理に関わるすべての工程が終わった状態で、委託給食会社より食事が送られてきます。

あとはそのまま配膳すればよいだけなので、施設の負担は限りなく少なくなります。学校でよく取り入れられているシステムで、馴染みのある委託給食の種類です。

ただ、委託給食会社が毎日配送するなど手間がかかるのも事実であり、ここまで紹介した冷凍およびクックチルと比較すると、コストが高額になりやすいとのデメリットもあります。

給食委託サービスの選び方のポイント

給食委託サービスの選ぶ際は、安定供給能力に注目しましょう。基本的に食事は毎日必要であり、提供し続けてもらわなければ困ります。

とくに大きな施設になればなるほど、安定供給能力が高い会社を選ぶ必要があるのです。有名な会社を選ぶのもおすすめですし、規模の大きな会社を選ぶのもよいでしょう。これまでの実績や取引先なども参考にして選ぶのもおすすめです。

アレルギー対策に対応していることも重要なポイントです。実際にアレルギーを持っている人も多く、一つひとつのアレルギーに対応できる食事を提供できるか確認しておきましょう。

できれば、オーダーメイドに対応しているところがおすすめです。とくに保育園などは、園児一人ひとりに合わせた対応してもらいたいところでしょう。きめ細かく対応してもらえれば、利用する側としても安心です。

まとめ

委託給食の種類を紹介しました。冷凍・クックチル・完全委託給食の3種類があり、それぞれ特徴があります。冷凍は冷凍されたまま送られてきて、施設側がレンジでチンして提供します。クックチルはチルド保存された状態で配膳され、電子レンジで加熱して配膳します。冷凍よりも素材の鮮度が保たれるので、品質がよいとされています。完全委託給食は給食センターなどで作られた料理が配膳されるもので、完成したものが届きます。ただ、コストが高額になりやすいので気をつけたいところです。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

給食は施設運営において欠かせない要素です。本記事では、給食委託の仕組みやそのメリット、効率性と健康性を両立させるための重要なポイントを解説します。外部委託と直営の違いから給食サービスの選び方

続きを読む

給食における牛乳の提供は、子どもたちの成長に欠かせない栄養と、健康な食習慣を育むための重要な要素です。この記事では、牛乳が給食に取り入れられる理由やその歴史について解説します。栄養面や教育の

続きを読む

給食センターでは、栄養バランスを考えた献立作成から調理・配食まで行っています。調理師や栄養士が主役として、食材選定や料理の腕を活かす一方、パートやアルバイトが助け合いながら下準備や配膳に携わ

続きを読む

給食調理委員は、学校や施設において、栄養バランスや衛生面を考慮して給食を提供する重要な役割を担います。食材の選定や調理法の決定、栄養価の計算など、多岐にわたる業務が求められます。この記事では

続きを読む

社員食堂を導入することで、従業員の満足度向上や生産性の向上が期待できます。社員食堂を導入する際の契約方法は3つ。この記事では、3つの方法とそれぞれの違い、さらに必要な準備について解説します。

続きを読む

給食委託会社を変更する際には慎重な準備が必要です。本記事では、スムーズな切り替えのための注意点を解説します。古い契約の解除手続きや新しい会社の評価基準、生徒や保護者への説明方法など、成功する

続きを読む

2019年10月から消費税は10%に引き上げられました。引き上げと同時に「軽減税率」が導入されています。ところで軽減税率は特定の分野のみが対象です。それ以外は通常の消費税率になります。では給

続きを読む

高齢者施設や病院、保育園などの施設では、給食委託サービスへのニーズが高まっています。業者に委託することで、施設内での調理の労力を軽減することができるからです。そこで気になるのが導入にかかる費

続きを読む

学校や老人ホーム、病院、企業の社員食堂など、団体生活の場で提供される給食は、栄養補給以外にもコミュニケーションの機会や、食事そのものを味わう楽しみがあります。しかし近年では、人手不足で給食を

続きを読む

保育園・認定こども園・幼稚園を運営していると、悩みのタネになるのが給食です。どの業者に委託しようか悩んでいる経営者も少なくありません。そこでこの記事では、そもそも給食委託とはなにか、給食を業

続きを読む