給食委託サービスの導入にかかる費用はどれくらい?相場をチェック!

公開日:2023/09/15   最終更新日:2023/07/04


高齢者施設や病院、保育園などの施設では、給食委託サービスへのニーズが高まっています。業者に委託することで、施設内での調理の労力を軽減することができるからです。そこで気になるのが導入にかかる費用。実際の費用相場は、公式サイトには記載されていないことが多いです。そこで本記事では給食委託サービスの費用相場について解説します。

給食委託サービスの導入にかかる費用の目安

給食委託にかかる費用は、調理方法のタイプや食事内容、食数、食形態によって異なります。安さを売りにする業者もありますが、安い分、味や見た目がいまいち、量も少ない…となっては、利用者の満足度が下がってしまうでしょう。

また、コストを下げることで給食の品質が下がるだけでなく、衛生管理の質が落ちてしまうこともあるので、やみくもに安い業者を求めるのはよくありません。コスト・味・見た目・品質のバランスの取れた給食委託サービスを選ぶことが大切です。

費用の相場はどれくらい?

費用は、給食の食材費だけで1日600〜800円ほどが相場といわれています。1食200円ほどと考えると安く感じますが、これにプラスして業務委託費用がかかることも覚えておきましょう。委託費は別に請求されるケースと、1食分に含まれて請求されるケースがあり、業者によっても異なります。具体的な費用は業者に食事の種類や食数を伝え、見積もりを取って何社か比較するとよいでしょう。

業務委託費って何?

給食の食材費以外にかかる業務委託費は、施設に代わって給食を提供するために必要な経費のことです。給食を提供するためにはさまざまな費用が発生します。まずは給食を作るスタッフの人件費が必要です。また、スタッフを雇うことにより、法定福利費として社会保険や労働保険の負担分もかかります。

さらに、スタッフの通勤費や調理に必要なユニフォームやクリーニング費、衛生管理のための検便費用なども経費に含まれます。さらに、食材費や手袋・ごみ袋などといった消耗品費、スタッフの募集にかかる求人広告費、そして業者の利益となる管理費も必要です。

契約内容によっては異なる場合もありますが、これらの経費は一般的に契約者が負担することになります。自施設内の厨房で給食を調理する場合でも同様の費用がかかりますので、請求されることは避けられません。一般的に、30名分の利用で月に60万円~90万円程度の業務委託費がかかるとされています。調理数が増えるほど、人件費や材料費も上がり、さらなるコストがかかるでしょう。

給食委託会社への支払い方法の種類

こちらでは、給食委託会社への支払いの方法について詳しく解説しましょう。給食委託会社では主に委託費制(管理費制)と食単価制の2種類が採用されています。

委託費制(管理費制)とは?

委託費制(または管理費制)は、調理に必要な人件費、管理費、およびそのほかの経費相当額を一定の委託費として支払う方式です。食材費は食数に応じて変動しますが、委託費は毎月固定されているため、施設の経費を予測しやすいという特徴があります。

食単価制とは?

食単価制は、1食の食事代金から食材費や経費をまかなう方式です。社員食堂のように利用者数が多く、変動が少ない施設でよく採用されます。この方式では固定費が少なくなるため、施設の負担も軽減されますが、1食あたりの食事代金が高くなるため、利用者の負担が増えるというデメリットもあるのです。

給食委託にかかる費用の見直し方法

給食委託にかかる費用を抑えたいと考える施設は多いでしょう。食事の質を保ちながら費用を削減するためには、以下の見直し方法があります。ぜひ一度、給食委託の見直しを検討してみましょう。

業務範囲の見直し

一部の業務を自施設で行っている場合、委託先との業務が重複している可能性があります。契約書には明記されているが、実際には自施設で行っている業務があるかもしれません。委託する業務を見直し、自施設で行える部分は削減しましょう。委託する業務が少なくなれば、費用も削減されるはずです。

調理方法の見直し

給食の調理方法は複数あります。完全に調理が完了した状態で配送される完全委託給食、調理した料理を急速冷却し、冷蔵したもので再加熱するクックチル、冷凍タイプのクックフリーズ製法などです。

完全委託よりもクックチルや冷凍の調理方法の方がコストが安く済みます。栄養バランスを考えたメニューでありながら、栄養士の必要性が低く、自施設での簡単な調理が可能です。また、衛生面でも安全性が高いというメリットがあります。

業者の見直し

現在利用している給食委託業者の料金が相場より高い可能性があります。給食委託会社は増加傾向にありますので、長年同じ業者に委託している場合でも、ほかの業者から見積もりを取り、料金が安ければ乗り換えることを検討しましょう。費用を削減しながらも、味や品質に影響を及ぼさない優れた業者を見つけることができるかもしれません。

まとめ

給食委託サービスにおいて、スタッフの負担を軽減しつつも、費用を適切に抑えることが重要です。しかし、費用削減のためには味や品質、対応力、衛生管理といった面での犠牲を払うことは避けたいでしょう。また、アレルギー対応や特別食の提供など、施設に合わせた適切なサービスを提供してくれる業者の選択も重要です。自施設でどこまで給食業務を行うべきか、どの部分を委託すべきかを慎重に検討し、完全な委託にこだわらず、コストとサービスのバランスが取れた最適な利用方法を見つけましょう。

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