給食業務は直営と委託どちらがおすすめ?双方の特徴を理解しよう!

公開日:2023/04/15   最終更新日:2024/01/10

直営と委託

給食業務の直営とは、スタッフを施設内で採用し、給食室などの調理スペースで給食の業務を提供することを指します。そして委託とは、自施設内ではなく、すべてまたは一部を専門の委託会社にまかせることを指します。最近では委託を利用する施設、学校や保育園、幼稚園、老人介護施設などが増えてきています。今回はその双方の特徴を紹介します。

直営給食のメリット・デメリット

直営給食におけるメリットは、入居者や患者、生徒たちなどといった施設の利用者と直接コミュニケーションがとれることです。

健康状態や食の好みなどをスムーズに給食に反映させやすくなり、自分のことを考えてつくられた給食が出てくると利用者の満足度も上がります。

そして、施設側が給食スタッフを直に雇用するため、スタッフが安定して働けることから、人員の入れ替わりも比較的少なく、給食のクオリティを一定に保ちやすいという面もあります。

デメリットは、給食を施設内で行うことで、施設に勤務する人の業務量が増えてしまうことです。

さらには、人員が足りていない場合は食事をつくる時間が足りなくなることで、給食のクオリティが落ちてしまう可能性もあります。食事のクオリティを保つことが難しくなってしまい、細やかな対応や栄養管理などが難しくなり、利用者からの不満も増えてしまうことです。

委託給食のメリット・デメリット

給食を委託する大きなメリットは、給食に携わるスタッフの採用や管理、育成にかかる労務などを減らし、その時間で本来の業務に集中できることです。

本来の業務をおろそかにしないことで、施設利用者の満足度は向上します。

そして、委託会社が衛生管理や給食のクオリティを一定に保ってくれることで、直営では手が回らない場合であっても施設に対する満足度が上がることが期待できます。

災害時でも体制が整っている会社も多くあり、万が一の事態であってもアレルギー食など、さまざまな食事を用意することが可能なのです。

デメリットは、委託会社の場合はスタッフの間での交流ややりとりが少ないため、信頼できる関係を構築するまでに時間がかかることがあるという点です。

直営に比べると、利用者の健康状態などの細かい把握とそれに準じたメニュー作りなどは難しくなります。

人員の採用は委託会社に任せられますが、もしも人員の入れ替わり、交代などが激しい場合は、提供される給食のクオリティや味が一定にならない可能性もあります。

また、給食会社によってはメニューが決まったローテーションになり、マンネリ化してしまう可能性もあります。よい委託先をしっかり調べて見つけましょう。

給食業務は直営と委託どちらがおすすめ?比較して選ぶポイント

給食を直営にするか委託にするかは、人員の状況や施設の規模などに左右されます。

小規模の施設で人員も足りているのであれば、利用者のアレルギー食やペースト食などといった、個人の事情に合わせた給食作りに対応できる直営がよいでしょう。

しかし、大規模の施設で人手も足りていない場合は、外部に委託して一定したクオリティの給食を常に提供できる方がメリットも大きいといえます。

直営では、食材の仕入れから調理の提供までを一貫して施設内で行うため、工程内で変更があっても臨機応変な対応が可能ですが、委託の場合は、委託する会社によって対応範囲が限られることも多々あります。

本部や厨房に勤務しているスタッフとの連携がきちんと行われていない場合、委託先のスタッフに施設の要望を伝えても改善されない、というケースも起こり得ます。

さらには、コストを重視しすぎて味やクオリティが落ちてしまい、施設の利用者の満足度を上げられない、ということもあるのです。

外部委託の場合、対応力だけでなく、味とクオリティはもちろん費用や、指示や連絡の伝達方法といったスタッフ間の連携が取れているかも、外部委託を選ぶ際の大切なポイントになります。

そして外部委託に関しては調理方式も重要です。調理方式には委託先から栄養士・調理師が派遣され自施設の厨房施設で調理する「現地調理方式」と、急速冷却して保存した料理を再加熱して提供する「セントラルキッチン方式」(クックチル)などがあります。

委託先の提供方法がクックチルの場合は、冷却した料理を保管する場所や機材が新たに必要になってくるので、委託する場合には必ず料理方式を確認しましょう。

そして「食数」「献立の内容」「アレルギー対応」「刻み食・ペーストなどの食事形態」「衛生管理」「調理職員の人員」などをチェックし、予算と食材のバランスについてしっかりと先方にも伝えることが重要です。

まとめ

給食業務は直営、委託どちらにもメリット、デメリットがあります。直営のメリットは、利用者とのコミュニケーションや細かな要望や健康状態まで把握できますが、デメリットは給食雑務にかかる手間と労力が多大にあることです。給食を外部委託するメリットは、給食のクオリティを保ち利用者の満足度を上げられることであり、デメリットは食事内容などの細かな要望のすべてを聞き入れてもらうことは難しくなる場合もあることです。まずは事前に直営と委託のメリットやデメリットの両方をきちんと把握し、外部に委託する場合は相手がまずどういった業者なのかしっかりと確認し、信頼できる委託先を見つけることがとても重要になってくるのです。

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