給食委託の全面委託と部分委託の違いや特徴を紹介
学校や企業の給食運営において、給食委託には全面委託と部分委託の2つの方法があります。それぞれの委託方法には独自のメリットやデメリットがあり、選択によって運営効率やサービスの質に影響を与えます。本記事では、全面委託と部分委託の違いや特徴について解説し、最適な給食運営方法を選ぶためのポイントをみていきましょう。
全面委託とは
全面委託とは、給食業務のすべてを給食業者に委託する方法を指します。この方法では、献立の作成から食材の仕入れ、調理、食器洗浄、衛生管理にいたるまで、給食運営に関わるすべての業務を専門の給食業者に任せることが可能です。
全面委託の最大のメリットは、給食運営の全過程を一括して専門業者に任せることで、施設側の負担を大幅に軽減し、効率的な運営を実現できる点にあります。また、給食委託の形態には、大きく分けてセントラルキッチン方式と自施設調理方式の2つの方法があります。
それぞれの方式には独自の特徴とメリットがあり、施設のニーズや条件に応じて選択が可能です。ここでは、給食委託の形態別に全面委託についてみていきましょう。
全面委託のセントラルキッチン方式
セントラルキッチン方式では、給食委託業者が自社のキッチンで給食を一括して調理し、それを保温食缶などに入れて顧客の施設に配送する方法です。セントラルキッチンは、顧客の施設内で大規模な調理設備を必要としないため、スペースに限りがある施設にとって、この方式は非常に有効でしょう。
なお、セントラルキッチンから各施設への配送は、必要なタイミングで適切な温度の給食を届けることが可能です。つまり、セントラルキッチン方式の全面委託では、食事に関するすべてのことを外部に任せられるという魅力があります。
全面委託の自施設調理方式
自施設調理方式は、顧客の厨房を借りて給食委託業者のスタッフが給食業務全般を担当する方法です。顧客の施設内で直接調理をおこなうため、食材の新鮮さを保ちながら提供できるメリットがあります。
また、施設ごとの特性やニーズに応じたカスタマイズがしやすく、献立やサービス内容をより細かく調整することが可能です。さらに、施設内で調理が行われるため、急な変更や追加注文にも迅速に対応できます。
これにより、イベントや特別な行事に対応した特別メニューの提供が容易になるでしょう。自施設調理方式の全面委託では、同じ施設内に専門の食堂があるような感覚に近いです。
部分委託について
部分委託とは、給食業務の一部を給食業者に委託する方法を指します。たとえば、献立作成は自社でおこない、調理のみを給食業者に依頼するなど、業務の一部分を外部に任せられます。
部分委託は、すべての給食業務を委託する全面委託とは異なり、必要な部分のみをプロの業者に任せ、柔軟性とコストのバランスを取ることが可能です。
また、部分委託にも、セントラルキッチン方式と自施設調理方式の2つの方法があり、それぞれの方式には独自の特徴とメリットがあります。
部分委託のセントラルキッチン方式
セントラルキッチン方式における部分委託は、給食の一部を給食業者が自社のキッチンで調理し、それを保温食缶などに入れて顧客のもとに配送する方法です。全面委託とは異なり、この場合にはすべての給食ではなく、特定の食事(ごはんやおかずのみなど)が提供されます。
給食の一部のみを外部に委託するため、全面委託に比べてコストを抑えられるのが魅力です。品質にこだわりたい部分を外部委託することで、全体の給食の質を向上させられます。
部分委託の自施設調理方式
自施設調理方式における部分委託は、顧客の施設内の厨房を利用し、給食業者のスタッフが一部の給食業務を担当する方法です。この場合も、すべての調理を任せるのではなく、特定の部分のみを委託します。
たとえば、難しい調理技術を必要とするメニューのみを業者に任せることで、施設全体の給食の質を向上させることが可能です。また、毎日の献立に時間を要してしまう場合は、献立の作成のみ依頼するなどの利用方法もできます。
全面委託と部分委託どちらを選んだら良いのか
給食委託において、全面委託と部分委託のどちらを選ぶかは、それぞれの施設のニーズや状況に応じることが重要です。どちらが良い悪いというわけではなく、それぞれに異なる良さがあるため、施設の具体的な要件を踏まえて選択する必要があります。
全面委託がおすすめのシーン
全面委託は、給食業務のすべてを専門業者に任せられるため、施設側で調理スタッフや設備が不足している場合や、給食の品質を一定に保ちたい場合などに向いています。
また、すべての業務を一括して委託するため、施設側の管理負担が軽減されます。その結果、大規模施設では管理の効率化が図れるのでおすすめです。
部分委託がおすすめのシーン
部分委託は給食業務の一部を外部に任せる方法なので、全面的な委託に比べてコストを抑えたい場合、献立やサービス内容を細かく調整したい場合に向いています。
また、特定の調理技術が必要な部分だけを業者に委託することで、施設内の調理スタッフと業者の専門技術を組み合わせて運営できるのでおすすめです。
まとめ
給食業務の全面委託と部分委託には、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。全面委託は、リソース不足や管理の簡素化を目指す施設にとって理想的で、安定した品質を提供することが可能です。一方、部分委託はコスト抑制や柔軟な運営が求められる場合に最適で、特定の技術やサービスをピンポイントで活用できます。どちらが優れているかではなく、施設の規模、予算、スタッフのスキル、利用者のニーズにもとづいて最適な方法を選ぶことが重要です。状況を見極め、効果的な給食運営方法を選択することで、より良い給食サービスを提供できるでしょう。
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