給食委託サービスでよく聞く「HACCP(ハサップ)」って何?

学校や介護施設など食品を扱う場面のある施設にとって、食品の安全を確保するのは重要な課題です。食品を提供する業者は法令を順守し、安全な食品供給を維持する努力をすべきといえます。HACCPは、そのサポートをする国際的なルールです。今回は、給食委託業者選びにおいて欠かせない知識「HACCP」について解説します。
HACCPとは
給食委託業者を選ぶ際「HACCP(ハサップ)」という言葉を聞いたことのある方は多いでしょう。ここではHACCPが日本に導入された背景と、具体的に何をするのかについてくわしく解説します。
HACCPの対象事業者
食品衛生法第51条にもとづき、日本では食品に関わるすべての事業者がHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に準拠した衛生管理を義務付けられています。つまり、事業の大小にかかわらず、飲食店や喫茶店を含むあらゆる食品事業者がHACCPに準拠した運営をしなければなりません。
とはいえ、HACCPによる衛生管理は、事業者の規模や業種に応じて適切な対応が求められます。小規模事業者等も対象となり、その場合は簡素化された衛生管理計画の策定が推奨されています。
HACCPが制度化された背景
食品のグローバル化が進み、食品の輸出入が盛んになった現代では、国際基準であるHACCPベースでの食品衛生管理が必須です。米国やEUといった先進国では早くからHACCPが導入され、食品安全の確保と消費者保護が目指されています。したがって、日本でも国際的な食品安全基準に追従する形でHACCPが導入されました。
とくに高齢者の健康リスクの増加や、食品の国際取引の増加にともない、より厳格な衛生管理が求められる時代となったことが制度化の要因です。
HACCPって具体的に何をするものなの?
HACCPは食品の製造から消費者への提供までの工程における危害要因を分析し、とくに重要な工程を科学的根拠にもとづいて管理するためのルールです。ここでいう危害要因とは、食中毒、異物混入などのリスクが該当します。食品事業者は、食中毒菌や異物混入などの危害要因と、それらが発生しうる工程を特定します。
次に、これらの危害要因が発生しないように防止または低減するための重要管理点(Critical Control Points, CCP)を設定します。具体的には、適切な調理温度の管理や食材の温度管理、作業場所の掃除の頻度、害虫・害獣の駆除といった衛生状態の維持が求められます。
HACCP導入のメリット
食品業界におけるHACCPの導入は、多くの利点をもたらします。厚生労働省の実態調査によると、以下のようなメリットが報告されています。
社員・スタッフの衛生管理意識の向上
HACCP導入にともない、事業所内での衛生管理が徹底されます。HACCPチームが指導し、全従業員が安全基準を遵守すると、食品事故のリスクが低減されます。
生産効率の向上
製造工程の衛生管理が強化されると、将来的には一貫した品質で効率的な生産が可能となります。初期の適応期間を経て、作業効率の改善が期待されます。
製品の不具合発生時に迅速な対応が可能
HACCPでは危険因子を事前に予測し、製品の不具合時にもすばやく対応できる体制が整います。結果として、生産過程での問題解決が迅速化し、品質管理が向上します。
クレーム・事故の減少
衛生管理の徹底により、食品の安全性が確保され、クレームや事故の発生率が低下します。消費者の信頼を得ると、業界内での評判や企業価値が向上します。
自社の衛生管理のPR力がアップ
国際的な基準であるHACCPの導入は、企業の衛生管理能力を証明する重要な要素となります。取引先や消費者に対して、確かな品質と安全性を誇示できます。
取引先や販路の拡大
HACCP認証を有すると、新たな取引先とのパートナーシップを築きやすくなります。さらに、海外市場への進出もスムーズに行えるため、国内外での事業展開の機会が広がります。
違反した給食委託業者に罰則はある?
食品衛生法は、公衆衛生の確保と食品安全の保護を目的としているものです。それらを遵守するのは、業者が負う法的義務であるとともに、社会的に果たすべき責任でもあります。もちろん、給食委託業者も対象外ではありません。
食品衛生法第51条2項では「営業者は公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない」と規定されています。つまり、HACCPに則った衛生管理を怠ると、食品衛生法に違反したとみなされ、営業者に対して厳しい規制が課せられるのです。
各都道府県知事には、条例で定めた措置によって制裁を科す権限があるため、悪質性にあわせて営業停止処分や営業許可証の更新停止、または罰金などの罰則・処分が下されます。
まとめ
HACCPは、消費者の健康と安全を守るために必要なルールです。食品事故の予防とその原因の追及を容易化し、消費者に安心して安全な食品を提供するための先進的な衛生管理手法です。今後も食品衛生の改善とともに、HACCPの普及と適用範囲の拡大が期待されています。給食委託業者を選ぶ際も、HACCPに準拠したサービスを提供している企業を選ぶと安心でしょう。
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